「マッキンゼーってどんな仕事をしているの?」「ビジネスアナリストとアソシエイトって何が違うの?」「”所属部門なし・辞令なし”とはどういう意味?」「社内AIツール『Lilli』って何?」「MBA留学支援は本当に全員使えるの?」
そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company, Inc.)の企業概要・事業内容・キャリアパス・社風を、公式コーポレートサイト・公式採用サイト・公式プレスリリースをもとに徹底解説します。非上場企業のため有価証券報告書による年収開示はなく、年収目安については公式情報を補足する形で記載しています。
会社基本情報まとめ

会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company, Inc.) |
| 創設 | 1926年(ジェームズ・O・マッキンゼーらによって創設) |
| 日本進出 | 1971年(アジア初の拠点として東京オフィス開設) |
| 東京オフィス所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー |
| 大阪オフィス | 関西オフィス(2018年開設。関西以西の西日本全域が活動領域) |
| グローバル拠点 | 世界65カ国以上・130拠点以上 |
| グローバル従業員数 | 約40,000人のコンサルタント(約140の国籍で構成) |
| グローバル売上高 | 160億ドル(2023年) |
| 形態 | 非上場(パートナーシップ制) |
社名「アンド・カンパニー」の意味
「McKinsey & Company」の「Company」は「会社」ではなく「仲間たち」を意味します。つまり「マッキンゼーとその仲間たち」という創業者の精神を体現した社名であり、この「アンド・カンパニー」は近世ヨーロッパで使われた命名慣習に由来します。
パーパス・理念
パーパス:「To help create positive, enduring change in the world(世界に創造的かつ持続的な変化を生み出す後押しをする)」
単なる短期的な業績改善ではなく、クライアントや社会全体に長期的なポジティブな影響を与えることを目指しています。
One Firm(ワンファーム)の理念:1926年の創設以来、「One Firm」の下、強い信念を共有する一つの組織として事業を展開してきました。世界130拠点がひとつのファームとして機能し、グローバルの知識・ノウハウをあらゆるプロジェクトに活用できる体制が最大の強みです。
日本での実績
- 国内上位30社の8割に相当する企業をサポート(公式採用サイトより)
- 過去5年で1,000件以上のプロジェクトを実施
- 日本進出から50年以上の歴史を持つ
- 2024年に320件の無償コンサルティングを提供(公益企業・非営利機関・自治体等への社会貢献活動として)
出典:マッキンゼーで働くこと|McKinsey & Company 日本公式サイト、McKinsey & Company Japan Overview
主な事業内容・サービス領域
マッキンゼーは、1933年にマービン・バウアーがファームに参画して以来、「Fact-base(事実に立脚する)」「Analytical approach(分析的アプローチ)」という経営コンサルティングの方法論を世界で初めて確立したパイオニアです。現在の主要サービスは以下のとおりです。
| サービス領域 | 内容 |
|---|---|
| CEOエクセレンス | CEO・経営トップが直面する最重要課題の解決。経営戦略・組織変革・M&A等の最上位経営課題への助言 |
| マッキンゼー・デジタル | デジタル戦略・AIトランスフォーメーション・テクノロジー活用による事業変革。データ・AI・クラウドを活用した競争優位構築 |
| RTS(企業変革・企業再生) | Reset(リセット)・Transform(変革)・Sustain(持続)の3段階で企業の根本的な変革を支援。クライアントとマッキンゼーが相互にコミットするパートナーシップ型 |
| 企業戦略・事業部戦略 | 全社戦略・事業ポートフォリオ最適化・新規事業開発・成長戦略立案 |
| 組織変革 | 組織設計・人材育成・リーダーシップ開発・カルチャー変革 |
| M&A・統合 | 買収戦略・デューデリジェンス・PMI(統合後マネジメント)支援 |
業界横断的に、製造・金融・ヘルスケア・テクノロジー・消費財・公共セクター等のあらゆる産業でサービスを提供しています。
社内AI「Lilli(リリ)」
マッキンゼーは2023年に社内向け生成AIプラットフォーム「Lilli」を全社展開しました。100年以上にわたって蓄積してきた約10万件以上の文書・インタビュー等の知的財産をもとに開発されており、従業員の70%以上が日常的に活用しています(複数の公開情報より)。主な機能はリサーチの高速化・資料作成支援・社内専門家のレコメンドで、情報収集・統合にかかる時間を最大30%削減する効果が報告されています。
キャリアパス・役職制度

6つの職位(コンサルティング職)
マッキンゼーのコンサルタントのキャリアパスは、以下6つの職位で構成されています。昇進スピードは完全な成果主義で、個人のパフォーマンスによって大きく異なります。
| 職位 | 入社区分 | 役割 | 年収目安(参考) |
|---|---|---|---|
| ビジネス・アナリスト(BA) | 新卒・実務経験2年未満 | プロジェクトチームの一員として情報収集・分析・プレゼン資料作成等を担当。クライアントの経営陣と直接対話する機会も1年目から存在 | 約600〜900万円 |
| アソシエイト(ASC) | MBA修了者・有経験者・BAからの昇格 | プロジェクト全体への関与が深まる。MBA留学後に復帰するケースも多い。個別課題の分析から全体設計へ関与が広がる | 約1,100〜1,500万円 |
| エンゲージメント・マネージャー(EM) | アソシエイトからの昇格 | プロジェクトの現場責任者。チームメンバー(BA・アソシエイト2〜4人)をマネジメントし、プロジェクトの成果を最大化する | 約1,800〜2,500万円 |
| アソシエイト・パートナー(AP) | EMからの昇格 | 複数のプロジェクトを同時に担当。クライアント企業の役員層との接点が増加し、パートナーへの道を目指す | 約3,000〜4,500万円 |
| パートナー | APからの選抜 | 自ら案件を受注するビジネス開発が中心の役割。クライアント最高経営陣の直接のアドバイザー | 数千万円〜1億円超 |
| シニアパートナー | パートナーからの選抜 | ファームの最上位。個人の影響力でファームとクライアント双方に最大の価値を生み出す | 1億円超も |
※年収目安はマッキンゼー公式の開示情報ではなく、複数の業界メディア・転職エージェントの情報を参考とした目安です。実際の報酬は個人の評価・ボーナス・オフィス等により異なります。
キャリアの2方向:ジェネラリストとスペシャリスト
マッキンゼーのキャリアパスには「ジェネラリスト(様々な業界・機能領域にわたりプロジェクトを担当)」と「スペシャリスト(特定の業界・機能に専門性を深める)」の2方向があります。どちらの方向性を選んでも年収に大きな差はなく、個人の志向に応じてキャリアを設計できる柔軟性があります。
「所属部門なし・辞令なし・転勤命令なし」の自律的キャリア
公式採用サイトには「マッキンゼーのコンサルタントには、『所属部門・部署』はありません。また、『辞令』や『配属』、『転勤命令』もありません」と明示されています。
「プロフェッショナルとして働く者のキャリアは、誰かに指示されて形成されるものではなく、自ら設計し組み立てていくものである」という考えのもと、「組織目標の達成のために個人がある」のではなく、「個々人のキャリア・ゴールを支援するために、マッキンゼーは独立したプロフェッショナルのための『場』を提供したいと考えています」(公式採用サイトより)。
出典:マッキンゼー・アンド・カンパニー|外資就活ドットコム(公式採用情報掲載)
育成・研修制度

充実した人材育成への投資(公式採用サイト・関連情報より)
- グローバルトレーニング(年1回):全従業員が参加するグローバルトレーニングが年1回実施されます。世界中の同僚とネットワークを構築し、意見を交換する機会が提供されます
- 語学研修:毎年若手コンサルタントを海外の語学学校への短期留学に送り出すプログラムがあります。英語力については必ずしも帰国子女や海外経験者のみが採用されているわけではなく、ファームとしての語学バックアップ制度が整備されています
- MBA留学支援:業務で成果を出していれば全員が利用可能なMBA留学支援プログラムがあります。費用支援を受けて海外のビジネススクールへ留学し、留学後にアソシエイトとして復帰するルートが確立されています
- メンター制度:スタッフ育成を専任に行うメンターが各コンサルタントに付き、昇給・評価においてもアドバイスを提供する仕組みがあります
- Lilli(社内AI):100年分のナレッジを統合した生成AIプラットフォームを全社員が活用し、リサーチ・資料作成の生産性を向上させています
公式採用サイトでは「マッキンゼーでは単に学び続けるだけでなく、他のどこよりも速いペースで成長することができます」と説明されています。
出典:マッキンゼーで働くこと|McKinsey & Company 日本公式サイト
社風・カルチャー

「Only McKinsey can do」を追求するプロフェッショナル文化
マッキンゼーのカルチャーの核心は、常に「この仕事は本当にマッキンゼーにしかできない仕事か?」という問いを持ち続けることにあります。クライアントへの最大限の価値提供にこだわり抜く文化は、1933年にマービン・バウアーが確立した「Fact-base・Analytical approach」の伝統を受け継いでいます。
公式採用サイトでは「マッキンゼーでの仕事は簡単ではありません。そのため私たちは、最善の解決策を見つける決意を持った、個性的で意欲的で好奇心旺盛な人材を求めています」と明示しています。
インクルーシブなカルチャーと多様性
マッキンゼーは国籍・性別・専門分野等を問わない多様な人材が集まり、多様性を尊重するインクルーシブなカルチャーが根付いています。公式情報として開示されている主な数値は以下のとおりです。
- 女性比率:全社員の45.9%(2024年末時点)
- コンサルタントの国籍:約140カ国
- LGBTQ+支援・女性活躍推進にグローバルで積極的に取り組み
風通しのよい組織文化
公式採用サイトでは「マッキンゼーの特徴は、社員一人ひとりの個性や興味、強みを重視しさらに伸ばす文化にあります」と紹介されています。役職に関わらず率直に意見を交わす文化があり、新人コンサルタントであってもパートナーに対して自らの意見を述べ、議論に参加する姿勢が求められます。
社会貢献活動(公益プロボノ)
マッキンゼーでは、公益企業・非営利機関・自治体等への無償コンサルティングを世界中のオフィスで継続的に実施しています。2024年には320件の無償コンサルティングが提供されました。日本でも、NPO法人「スペシャルオリンピックス日本」の支援・活性化プロジェクト等が実施されています。
環境・サステナビリティへの取り組み
GHG(温室効果ガス)削減については、2025年末までにScope 1・2を2019年比25%削減、Scope 3(出張等)を35%削減する目標を掲げています。2024年時点で、Scope 1・2を2019年比62%削減、Scope 3(出張ベース)も50%削減を既に達成しており、全社的な目標を大幅に上回る進捗を示しています。
どんな人が向いているか
公式採用サイト・パーパス・キャリア情報をもとにすると、マッキンゼーには次のような人が向いていると言えます。
- 「世界に創造的かつ持続的な変化を生み出す後押しをする」というパーパスに共感し、クライアントや社会に長期的なインパクトを与えることに意義を感じられる人
- 「Fact-base・Analytical approach」を武器に、誰も解けなかった課題に論理的に挑み続けたい人
- 「所属部門なし・辞令なし」の環境で、自律的にキャリアを設計・開拓したい人
- 「Make your own McKinsey」の理念のもと、MBA留学・語学研修・プロボノ等、多様な成長機会を自ら活用して成長したい人
- グローバルチームの一員として、世界65カ国の知見を活用しながら日本最高峰のクライアントと向き合いたい人
- 「Only McKinsey can do」という高い基準の仕事に向き合う覚悟と、好奇心・探求心を持つ人
出典:マッキンゼーで働くこと|McKinsey & Company 日本公式サイト
著名なOB・アルムナイ

マッキンゼーはアルムナイ(卒業生)ネットワークの強さでも知られており、政財界・スタートアップ等で活躍するOB・OGが多数います。日本オフィス出身の著名な人物として以下が知られています(いずれも公開情報より)。
- 大前研一:初期の日本オフィス代表として経営コンサルティングの草分けを牽引。現在は経営コンサルタント・著述家として活動
- 南場智子:株式会社DeNA創業者・代表取締役会長
- 茂木敏充:自民党幹事長等の政府要職を歴任
転職・採用情報

採用の特徴
マッキンゼーは新卒採用(ビジネスアナリスト)・経験者採用(アソシエイト等)・MBA採用の3チャネルで採用を実施しています。
新卒採用
- 国内大学・大学院在学の方はビジネスアナリストとして応募
- 海外大学在学の方は別途海外新卒採用チャネルが設けられています
- 学部・専攻は不問。理系・文系を問わず、多様なバックグラウンドから採用
- 採用には適性検査とケース面接(一部英語でのケース面接含む)が実施されます
経験者採用・MBA採用
- 実務経験者は入社時の職位・経験年数に応じてビジネスアナリスト〜アソシエイトでのスタートが多い
- MBA在学中の方(海外・国内MBA問わず)向けの採用チャネルが別途設けられています
- SIer業界未経験でも、前職の業界知見がコンサルティングに活かせると判断される場合に採用されるケースがあります
選考の特徴
- ケース面接:マッキンゼーの選考の核心。ビジネス課題への論理的思考・問題解決プロセスを見る面接形式
- 英語力:他の外資戦略ファームと比べて英語使用頻度が高く、選考では英語でのケース面接が含まれる場合があります。ただし必ずしも帰国子女のみが採用されているわけではありません
- AI活用面接:2026年時点で、社内AIツール「Lilli」を活用したケーススタディ分析を候補者に行わせる選考方法が導入されているとの報告があります。技術知識ではなく、AIを「生産的な思考パートナー」として活用する能力が評価されます
出典:キャンパス採用|McKinsey & Company 日本公式サイト
よくある質問(FAQ)

Q. マッキンゼーは「経営戦略だけ」の会社ですか?テクノロジーやデジタル分野でも働けますか?
A. マッキンゼーは戦略コンサルティングのパイオニアですが、現在はデジタル・AIトランスフォーメーション(マッキンゼー・デジタル)・テクノロジー専門職・データサイエンス等も主要サービス領域となっています。公式採用サイトでは「テクノロジーでの革新」という職種カテゴリが設けられており、「世界中の6,000人以上のテクノロジーの専門家と共に働く」機会が紹介されています。スタートアップ支援・公共セクター・データサイエンス等のポジションも存在します。
出典:マッキンゼーで働くこと|McKinsey & Company 日本公式サイト
Q. 「所属部門なし・辞令なし」とは具体的にどういうことですか?
A. 公式採用サイトでは「マッキンゼーのコンサルタントには、『所属部門・部署』はありません。また、『辞令』や『配属』、『転勤命令』もありません」と明示されています。一般企業のように会社が仕事を割り当てるのではなく、コンサルタントが自分のキャリア目標に基づいて参加するプロジェクトを選択し、自律的にキャリアを設計していくスタイルです。「個々人のキャリア・ゴールを支援するために、マッキンゼーは独立したプロフェッショナルのための『場』を提供したいと考えています」と明示されています。
出典:マッキンゼー・アンド・カンパニー|外資就活ドットコム(公式採用情報掲載)
Q. MBA留学支援はどの社員でも使えますか?
A. 複数の業界メディアの情報によると、「業務で成果を出していれば全員が利用可能」とされています。アソシエイトへの昇格前後にMBAを取得し、帰国後にアソシエイトとして復帰するルートが確立されており、実際に留学している社員も多いとされています。ただしこの制度の詳細条件については公式サイトでの開示が限定的なため、正確な情報は採用プロセスで確認することを推奨します。
Q. 女性比率45.9%というのは本当ですか?
A. はい、公式情報として確認できます。2024年末時点で全社員の45.9%を女性が占めるというデータが、複数の公式情報に基づいて報告されています。マッキンゼーはLGBTQ+支援・女性活躍推進にグローバルで積極的に取り組んでおり、多様な視点が優れた解決策を生むという信念のもとインクルーシブなカルチャーを推進しています。
Q. マッキンゼーはブラック・激務という評判について教えてください。
A. 公式採用サイトでは「マッキンゼーでの仕事は簡単ではありません」と率直に明示しています。一方で「リーディングカンパニーの経営者の課題解決支援という業務は重責であり、コンサルタントに求められることは長時間働くことではなく、高いアウトプット(仕事の成果)を一定の時間内に出すことです。そのためには生産性を高めることが重要であり、マッキンゼーはコンサルタントのスキルアップのための充実した支援策を用意しています」(公式採用情報より)と説明しています。またLilli(社内AI)の導入によりリサーチ・資料作成の時間を最大30%削減する効果が報告されており、業務効率化も積極的に推進されています。出産・育児などのライフイベントを挟みながらでもプロフェッショナルとして成長し続けられる環境整備にも取り組んでいます。
出典:マッキンゼー・アンド・カンパニー|ワンキャリア(公式採用情報掲載)
まとめ
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、1926年創設・世界65カ国以上・130拠点以上・約40,000人のコンサルタントを擁する世界最大規模の戦略コンサルティングファームです。グローバル売上高は2023年に160億ドルに達し、日本では1971年のアジア初の拠点開設以来50年以上にわたり、国内トップ30社の80%を支援してきました。
パーパス「世界に創造的かつ持続的な変化を生み出す後押しをする」と「One Firm」の理念のもと、CEOエクセレンス・マッキンゼー・デジタル・RTS(企業変革・企業再生)等の領域で、クライアントの最重要経営課題に向き合っています。
キャリアパスはビジネスアナリスト→アソシエイト→エンゲージメントマネージャー→アソシエイトパートナー→パートナー→シニアパートナーの6職位で、「所属部門なし・辞令なし・転勤命令なし」という完全な自律的キャリア設計が特徴です。グローバルトレーニング(年1回)・MBA留学支援(成果を出していれば全員利用可能)・語学研修・社内AI「Lilli」(100年分のナレッジ統合・従業員の70%以上が利用)等の育成制度が整備されています。
女性比率45.9%(2024年末)・約140カ国の国籍で構成されるチーム・2024年に320件の無償コンサルティング実施・GHG排出量の大幅削減達成(Scope 1・2を2019年比62%削減)等、多様性・社会貢献・環境面でも積極的な取り組みを公式に開示しています。
出典:McKinsey & Company 日本公式サイト、マッキンゼーで働くこと|採用サイト
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